「安心できる社会に」 身体障害者補助犬議連が啓発シンポジウム
2025年06月06日 福祉新聞編集部
身体障害者補助犬を推進する議員の会(田村憲久会長)は5月22日、「ほじょ犬の日」にちなんだ啓発シンポジウムを衆議院第1議員会館で開いた。幹事長の笹川博義衆議院議員(自民)は、2016年に発生した盲導犬使用者の駅ホーム転落死亡事故や、昨今頻発する災害に触れ、「補助犬使用者にとって安心できる社会に一歩でも近づけるよう努力していきたい」と述べた。
シンポジウムのテーマは「補助犬と障害の社会モデル・人権モデルを考える」。鉄道の駅の無人化が進む中での障害者の移動の権利をめぐる基調講演や、災害時に補助犬と共に避難することへの備えに関する教育講演を行った。
厚生労働省は24年度、能登半島地震により避難所生活を送った盲導犬使用者の体験談や、避難所での配慮ポイントを収めたリーフレットを作成。補助犬使用者を受け入れる鉄道職員向けの接遇研修動画をホームページ上で配信していることも報告した。
盲導犬、介助犬、聴導犬の同伴拒否を禁じた身体障害者補助犬法は、02年5月22日に成立。議連は同日を「ほじょ犬の日」とし、毎年、啓発イベントを重ねている。今年4月現在、実働数は盲導犬が768頭、介助犬が57頭、聴導犬が51頭。