医療的ケア児1万1259人が在校 保護者の付き添いが課題〈文科省〉

2025年0726 福祉新聞編集部

2024年5月時点で医療的ケア児は特別支援学校に8700人、幼稚園・小中高校に2559人おり、計1万1259人に上ることが16日、文部科学省の調査で分かった。それぞれ前年より1・5%、16・3%増えた。依然として保護者らが登下校時に付き添う割合が高いため、文科省は保護者らの負担軽減に取り組むよう、自治体に通知を出した。

各校における医療的ケア児のいる割合は、特別支援学校61%▽幼稚園2%▽小学校9%▽中学校3%▽高校1%だった。

医療的ケアを行う看護職員、介護福祉士、認定特定行為業務従事者数は、特別支援学校7818人、幼稚園・小中高校2745人。それぞれ前年より6%、18・2%増えた。

学校で行われている医療的ケアの内容は、特別支援学校では喀痰吸引(鼻腔内)、同(口腔内)、経管栄養(胃ろう)が多く、幼稚園・小中高校では血糖値測定・インスリン注射、導尿、喀痰吸引(気管カニューレ内部)が多かった。

一方、保護者らが登下校時に付き添う割合は特別支援学校が59%、幼稚園・小中高校が47%。通学方法は自家用車がそれぞれ6割、4割を占めた。

保護者などの付き添いが必要な理由は、特別支援学校では「医療的ケアを行う看護職員などはいるが、学校、教育委員会が希望している」、幼稚園・小中高校では「医療的ケアを行う看護職員などがいない」が最多だった。

文科省は就学や進学をする前の医療的ケア児を早期に把握して看護職員を確保すること、看護職員が同乗する専用車両による通学を可能な限り検討することなどを求めた。

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