歩行訓練士2人増員 待機者解消へ研修費補助〈島根県〉

2025年1219 福祉新聞編集部
安全に歩行できるよう指導する山根さん(右)=島根ライトハウス提供

視覚障害者が白杖を使って安全に歩行するための訓練をはじめとした、日常生活に必要な動作を指導する「視覚障害生活訓練等指導者(歩行訓練士)」をめぐり、島根県の支援で半年間の養成課程を受講していた2人が今秋修了した。県内では訓練の待機者が発生している状況があり、県は訓練士の増員を図って解消につなげようと今年度、研修費の補助(219万円)に踏み切った。

同県障がい福祉課によると、県が視覚障害者の歩行など日常生活に必要な訓練を委託するライトハウスライブラリー(社会福祉法人島根ライトハウス)と、県西部視聴覚障害者情報センター(同島根県社会福祉事業団)に歩行訓練士が3人おり、今回の増員で計5人体制となった。

養成課程を修了したのは同ライブラリーの山根花音さんと同センターの千代文恵さん。これまで点字業務に携わっていた山根さんは現在、視覚リハビリテーションの担当となり歩行訓練や視覚障害者支援機器の操作法の説明などに当たっている。「日常生活の困り事を減らし、日常生活の可能性を広げるサポートができれば」と意気込みを語った。

歩行訓練士になるには、日本ライトハウスの視覚障害生活訓練等指導者養成課程を修了するか、国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科を修了する必要がある。日本ライトハウスによると、全国の91機関で少なくとも195人が歩行訓練を行っている。

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