通級指導の障害児、初めて20万人超え〈文科省調査〉

2025年0729 福祉新聞編集部

国公私立の小中高校で「通級指導」を受けている児童生徒が、2023年度は20万3376人だったことが16日、文部科学省の調査で分かった。前年度から5033人(2・5%)増えて、初めて20万人を超えた。

通級指導は、障害のある児童生徒が通常学級に在籍しながら必要に応じて別室などで授業を受けるもの。

20万3376人のうち、16万6556人は小学生で8割強を占めた。中学生は3万4449人、高校生は2371人。前年度からの伸び率は高校生が15%で最多となった。中学生は9%、小学生は1%だった。

通級指導が小中学校で制度化された1993年度の児童生徒は1万2259人だったが、2023年度は13・6倍に増えた。高校は18年度に始まり、生徒は508人だったが、23年度は4・6倍に増えている。

児童生徒の障害種別は「言語障害」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」「自閉症」「学習障害」がそれぞれ2割前後を占めた。

公立学校に限って通級指導の児童生徒がいる割合をみると、小学校76%、中学校51%、高校12%だった。

文科省は16日付で自治体に通知を出し、通級指導の体制整備、児童生徒や保護者への分かりやすい説明などに努めるよう促した。通級指導が進んでいない都道府県には取り組みを促進することも求めた。

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