人材確保、喫緊の課題 障害報酬改定で社保審部会が合同会議

2023年1219 福祉新聞編集部

厚生労働省は11日、2024年度障害報酬改定の「基本的な方向性」を社会保障審議会障害者部会(座長=菊池馨実・早稲田大教授)と、こども家庭審議会障害児支援部会(座長=有村大士・日本社会事業大教授)の初の合同会議に示した。

 

賃上げによる人材確保を喫緊の課題と位置付け、サービスの質の向上を目指す。障害児支援はサービス基盤が不十分とみて、量と質を拡充する。

 

年末に障害報酬の改定率を決め、24年2月にサービスごとの単価を示す。改定の施行日は4月1日、6月1日とする案があり、決まっていない。

 

「基本的な方向性」は厚労省の障害報酬改定検討チームが6日にまとめたもの。これを受けた両部会の委員の多くが11日、職員の賃金アップとそれによる人材確保を強く要望した。

 

また、複数の委員が22年9月に国連障害者権利委員会から受けた勧告に言及。障害者支援施設から地域への移行、グループホーム(GH)から1人暮らしへの移行、強度行動障害への対応――といったことが勧告に沿った対応だと評価する意見が上がった。

 

施設とGHは今回の改定の目玉ではあるものの、積み残し課題も多いため、厚労省は改定後の24年度中にそれぞれのあり方を検討する場を設ける方針。特にGHは量的な拡大が進む半面、質の低下が著しいとされ、総量規制の導入が検討課題となる。