障害者芸術展覧会「いま、気になるあの人の表現」 6団体の作品が平塚に集結

2023年1010 福祉新聞編集部
アトリエと展示場所、喫茶コーナーがある

障害者が創作した絵画などの作品50点を全国各地から集めた展覧会「いま、気になるあの人の表現」が9月1日、神奈川県平塚市の障害福祉事業所「キキ・クリエイティブギャラリー&カフェ」で始まった。

 

障害者の文化芸術活動で先駆的な福祉事業所が集結したとあって、これから取り組もうという事業所などが連日立ち寄っている。

 

会期は10月31日まで。場所や空間を含めて作品として体験する手法「インスタレーション」による作品も展示する。例えば、袋入り即席めんを一日中眺めたり触ったりする障害者にヒントを得て、会場にその袋を立体的に並べて、来場者が触って楽しむ空間にする。

 

主催する一般社団法人オルタム代表で、キキの施設長でもある北澤桃子さんは「作品そのものだけでなく、そこからにじみ出る作家の暮らしも表現の一つとして見てもらいたい」と話す。

 

出展したのはみぬま福祉会(埼玉県)、やまなみ会(滋賀県)など障害者アートで知られる6団体。リベルテ(長野県)は、障害者が街歩きする様子を動画で紹介する。国の障害者芸術支援事業のサイトにも載るなど注目されている。

 

キキは障害福祉サービスの生活介護(定員40人)の事業所で主に知的障害のある人が通い、事業所内の〝アトリエ〟で創作に励む。喫茶コーナーではコーヒーやケーキを提供し、来店客にくつろいでもらっている。

 

北澤さんは「各地に私たちの仲間を増やしたいので、来年以降は持ち回りで開催する構想だ」としている。