認知症法案の骨子案 議連が公表、今国会提出も

2023年0411 福祉新聞編集部
あいさつする田村会長代行(中央)

 超党派の「共生社会の実現に向けた認知症施策推進議員連盟」(田村憲久会長代行)が検討している認知症に関する法案の骨子案が明らかになった。名称案は「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」。認知症の人が希望を持って暮らせるよう施策を推進し、支え合いながら共生する活力ある社会の実現を目的とする。早ければ今国会に提出される可能性もある。

 

 認知症の定義は、アルツハイマー病などにより生活に支障が生じるほどに認知機能が低下した状態とし、政令で定める(介護保険法の定義と同じ内容)。認知症の人の人権の尊重、自立した生活や社会参加の機会の確保、家族への支援などを基本理念に明記。認知症の正しい理解の普及、切れ目のない医療・介護サービスの提供や相談体制の充実、認知症の予防や症状の進行を遅らせる研究開発の推進などの施策に取り組む。

 

 内閣総理大臣を本部長とする認知症施策推進本部を設置し、その下に認知症の人や家族などが委員として参加する関係者会議を設ける。国に基本計画の策定を義務付け(認知症施策推進大綱を位置付ける)、都道府県と市町村は努力義務とする。9月21日を認知症の日、9月を認知症月間と定める。

 

 骨子案について3月27、30日に認知症の人、家族、支援者、有識者からヒアリングを行った。予防が前面に出過ぎることへの懸念や、認知症の人が希望を持って暮らせるための社会学的なアプローチの視点の充実などを求める発言があったという。

 

 議連ではヒアリングの意見を整理し、4月中に法案の条文を示せるよう準備したいとしている。

 

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