養護、軽費老人ホームの給与改善 自治体の対応進む

2022年0719 福祉新聞編集部

 厚生労働省は、養護老人ホームと軽費老人ホームの給与改善に向けた支弁額(報酬)の改定について、自治体の対応を調査した。養護老人ホームは85%、軽費老人ホームは97%の自治体が、改定を実施または実施見込みであることが分かった。

 

 全国老人福祉施設協議会の大山知子副会長(社会福祉法人蓬愛会理事長)は「各団体、会員が給与改善のために行動したことなどが奏功した」と話した。

 

 養護、軽費老人ホームは2月から実施されている介護職員らの給与改善の対象外だが、今年度から地方交付税措置が講じられることになり、養護、軽費老人ホームの財源と権限を持つ自治体の判断で給与を改善することができる。厚労省は支弁額の改定例を示すなど適切に対応するよう自治体に通知を出している。

 

 養護老人ホームがある自治体は711で▽改定済み256▽改定見込み348▽独自財源などで一定の処遇改善を実施60▽調整・協議中39。また、軽費老人ホームは128自治体のうち▽改定済み64▽改定見込み60▽独自財源などで一定の処遇改善を実施1▽調整・協議中3だった。

 

 いずれも改定見込みが約半数を占めていることから、大山副会長は「今回の調査で終わらず、改定が行われたか実績まで調べてほしい」と厚労省に求めている。

 

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