人口減地域の保育事例集 施設経営の参考に(全国保育研究大会)

2024年1026 福祉新聞編集部
奥村会長

全国保育協議会(奥村尚三会長)主催の全国保育研究大会が17、18日、奈良市内で開かれた。奥村会長は人口減少地域にある保育施設の取り組みや対応をまとめた事例集を作成する予定だと明らかにした。情報の発信、共有を図り、施設運営などの参考にしてもらいたい考えだ。

全保協と日本保育協会、全国私立保育連盟による「保育三団体協議会」は国に対し、人口減が進む地域で保育の場を確保するための施策を早期に講じるよう求めてきた。

待機児童解消が進む中、国は量の拡大から質の向上へと政策の重点を移し、保護者の就労を問わず、保育施設を一定時間利用できる「こども誰でも通園制度」や、保育士の配置改善に取り組んでいる。

また、本年度末までが計画期間となる待機児童解消に向けた国の「新子育て安心プラン」後の保育提供体制をめぐり、こども家庭庁は人口減地域における保育機能確保を主な論点として掲げる。同庁は来年度、過疎地域で施設多機能化のモデル事業に着手する方針。

奥村会長は「人口減少に伴う保育所、認定こども園の状況把握や課題整理に引き続き取り組み、保育三団体協議会においても要望を続けたい」と話した。

保育士会大会と一本化

全保協と、全保協の内部組織「全国保育士会」は来年度から全国大会を一本化する。大会名を「全国教育・保育研究大会」とし、第1回を来年11月に東京で開催する。

保育を取り巻く状況が大きく変化する中、保育者は施設運営、保育実践の両面から今後の保育について考えていく必要があるとし、大会のさらなる質向上に向けて一本化を決断。全保協と保育士会がそれぞれ開催してきた全国大会は本年度で最後となり、全保協の大会は67回、保育士会の大会は57回で幕を閉じる。