生きる力身につけて こども第三の居場所開設〈あさがお福祉会・徳島〉
2025年06月20日 福祉新聞編集部
徳島市にある社会福祉法人あさがお福祉会(保岡正治理事長)は5月25日、家でも学校でもない、こどもの第三の居場所「まちのThird Base」を市内にオープンした。平日午前10時から午後9時まで開所し、こどもの生活状況に合わせて学習や食事、入浴などの支援を行う。
田中智子・津田統括管理者は「こどもに一人ではないよと伝えたい。ここでいろいろな体験をして、生きる力を身につけてほしい」と話す。
法人では以前から宅食事業を行っており、シングルマザーや課題を抱える家庭でこどもが孤立している状況を見てきた。不登校児や障害児を持つ職員からは、こどもとの時間が十分に持てないことも聞いてきた。そうした中、こどもが自分らしく生きることを支える場が必要だと考えていた。
こども第三の居場所は日本財団が2016年から展開しており、5月末時点で全国に256カ所ある。まちのThird Baseは市内2カ所目で、2年間は日本財団の補助金を受けて運営する。
まちのThird Baseは、法人が運営する児童発達支援事業所、障害者グループホームと同じ建物内にある。広さは約90平方メートルで、リビングや和室、キッチン、バスルームなどがある。
定員は1日15人。法人が家庭をアセスメントした上で、必要な人に利用してもらう。利用は無料。車で学校まで迎えに行き、帰りも自宅まで送る。隣接して法人の高齢者通所介護事業所や放課後等デイサービス、母子生活支援施設などがあり、これまでのノウハウを生かし、各種イベントで交流するなど、連携した支援ができるのも特長だ。