埼玉県が保育の公定価格で要望 東京都の給与格差是正へ
2024年10月17日 福祉新聞編集部保育士給与の原資となる公定価格をめぐり、埼玉県の大野元裕知事は9月24日、工藤彰三内閣府副大臣に、公定価格の地域区分、支給割合の見直しを要望した。保育の公定価格は国家公務員の「地域手当」の地域区分、支給割合に準拠して設定されており、2024年人事院勧告により東京都との給与水準の差が一層広がることが危惧され、格差改善を求めた。
24年人事院勧告は、市町村ごとに設定する国家公務員の地域手当の区分けを見直し、都道府県ごとを基本に大くくり化するよう求めている。勧告通り実施されれば、埼玉県(さいたま市などは除く)の支給割合は4%となり、東京都と接する県南部の自治体を含め県内多くの市町村で支給割合が現状から下がることになる。
一方、東京都では、特別区の支給割合は20%に据え置かれ、特別区を除いた地域は全体的に引き上げられることになる。これでは、給与格差がますます拡大し、都内への保育士流出が一層進む恐れが高まる。
大野知事が提出した要望書では、隣接する自治体間で公定価格に大きな差が生じないよう、住民の県外就業率が高い地域については就業先の地域区分、支給割合との均衡を図ることや、都道府県を越えた広域的な区分を考慮することを求めた。