宗教虐待へ国の支援を 当事者3団体が要望

2024年0525 福祉新聞編集部

宗教に入信する親に虐待された当事者でつくる団体は16日、加藤鮎子こども政策担当大臣に対し被害者支援を検討することを求めた要望書を提出した。

宗教の信仰を背景にした児童虐待をめぐっては、こども家庭庁が昨年度に実態調査を実施。2022年4月から1年半の期間で、宗教を理由とする保護者による虐待に対応した児童相談所が16%に上っていたことが分かった。

提出したのは、一般社団法人スノードロップ、宗教2世問題ネットワーク、JW児童虐待被害アーカイブの3団体。

提言は、実態調査について「意義深いものだった」と評価しながらも、不十分な点もあったと指摘した。

具体的には、国が宗教団体ごとに被害傾向や、宗教2世に与える長期的な影響などを明らかにし、当事者への大規模調査を行うよう要請。宗教虐待がこどもの人格形成に与える影響を調査し、回復に向けた支援策を検討することも求めた。

また、社会的養護の支援と同様、宗教2世の進学や就職に向けたサポートを充実するよう要望。宗教というキーワードが入った専用相談窓口の周知も求めた。さらにこどもまんなか実行計画に、施策を位置付けることも盛り込んだ。

同日の会見でJW児童虐待被害アーカイブの綿和孝代表は「調査をして終わりとするのではなく、ここから何をするかが重要だ」と強調。こどもの声を拾い上げる仕組みが必要だと訴えている。