保護者の信仰に伴う児童虐待 児相の16%が対応(こども家庭庁)
2024年05月23日 福祉新聞編集部こども家庭庁が昨年度に初めて行った保護者による宗教の信仰に伴う児童虐待に関する調査で、全国の児童相談所の2割弱が対応したと回答したことが分かった。
調査は、同庁の子ども・子育て支援等推進調査研究事業として、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施。2023年10~12月にかけ、全国232カ所の児相を対象に行い、229カ所が回答した(回収率99%)。
22年4月から23年9月において、宗教の信仰が理由と思われる保護者による虐待事例を聞いたところ、「該当あり」が16%、「該当なし」が71%だった。
具体的には「言葉や映像、資料で恐怖をあおる」が30%と最多。次いで「他者の前で宗教を信仰している旨の宣言を強制」「拒否的な態度を示し宗教の布教活動などを強制」がいずれも11%だった。
宗教の信仰に伴う虐待だと推察したきっかけは、こどもから聞いた(46%)▽通告の際に聞いた(同)▽関係者からの情報提供(32%)――などが挙がった。
このほか、判断が悩ましい事例を聞くと、保護者に悪いことをすればたたくのは当然という信条があるケースや、自然食に傾倒する保護者が食事療法で病気を治療しようするケースなどがあった。
宗教虐待をめぐっては、厚生労働省が22年12月に児相などが対応する際の「Q&A」をまとめ、全国の自治体に通知している。理由を問わず、たたくことやむちで打つことなどは虐待だとしていた。