付き添い入院「要請している」44% こども家庭庁が医療機関を調査

2024年0426 福祉新聞編集部

こどもが入院する際に家族が泊まり込みで世話をする「付き添い入院」について、こども家庭庁は12日、医療機関を対象とした初の実態調査の結果を公表した。付き添いを「基本的にお願いしている」と回答した医療機関は44%に及んだ。

付き添い入院は医療保険制度上は原則禁止とされ、こどもの入院の場合は家族の任意で付き添うことができる。その場合でも家族が看護業務を代替・補充するのは禁止だ。

しかし、実際には医療機関が要請するケースが多い現状が浮かび上がった。付き添いを要請する理由としては「こどもの年齢が小さい」「医療的ケア児である」が多かった。

付き添いが難しいことを理由に入院に至らなかったり、転院調整をしたりしたことがあるとの回答が36%にも上った。

付き添い時に寝具を貸しているとの回答は85%。料金は1日300円以上500円未満が最多だった。食事で利用できるのはコンビニが81%と最多で、病院食は29%だった。

調査は小児中核病院など751カ所を対象に2023年12月から行い、349カ所が回答(有効回答率46・5%)した。

22年にNPO法人が付き添い経験のある家族に行った調査では、回答者の7割が「付き添いが必須だった」と回答。医療機関から家族への説明が不十分で、家族の睡眠や食事の環境が整っていないことも分かった。

それを踏まえ、23年6月、小倉將信内閣府こども政策担当大臣(当時)が家族の負担軽減に向けて小児医療機関の実態調査を行う考えを表明していた。