児童館など指針改正へ こどもの権利や性被害防止(こども家庭庁)

2024年0319 福祉新聞編集部

こども家庭庁の「児童厚生施設及び放課後児童クラブに関する専門委員会」(座長=大竹智・立正大教授)で、児童館ガイドライン、放課後児童クラブ(学童保育)運営指針の改正に向けた議論が始まった。昨年末に閣議決定され、児童館や学童保育を重要な地域資源と位置付ける「こどもの居場所づくりに関する指針」を踏まえた対応で、2025年度の改正を目指す。

 

こどもの権利擁護や性被害防止など昨今の動向も踏まえ、同庁は改正が必要だと判断。8日の同専門委の初会合で、ガイドラインと運営指針の改正素案をそれぞれ示した。

 

共通する事項として、こども自身がこどもの権利について学ぶ機会を設けることや、権利侵害された場合の対応方法を定めて、あらかじめこどもに周知することを明記。虐待が発生した際の対応を定めることも求めた。

 

性被害防止に向け、文部科学省が主導する教育プログラム「生命(いのち)の安全教育」などを活用した啓発を行うとともに、性暴力が発生した際、迅速に対応できる体制を構築するよう求めた。

 

また、努力義務になっている業務継続計画(BCP)についても記載し、策定を促したい考えだ。

 

児童館ガイドラインの改正点については、適切な居場所や相談機関につなぐなど、こどもが持つ福祉的な課題への対応にも力を入れる。こどもを取り巻く環境の変化を踏まえ、オンラインやSNSを活用した居場所づくりも検討する。

 

災害時の対応として、児童館が持つノウハウを生かし、被災地におけるこどもの居場所、遊び場の確保に協力することとした。

 

学童保育運営指針では、障害児や医療的ケア児の受け入れに向けた記述を充実させた。

 

また、第三者評価制度の活用など事業の質向上も促す。事故防止に向け、運営体制が整わない場合はプール活動の中止を検討。昼食を提供する際は安全、衛生面を考慮することも盛り込んだ。