児童手当拡充を前倒し 第3子以降は月3万円に

2023年1104 福祉新聞編集部
あいさつする岸田首相(左)

岸田文雄首相は10月26日、児童手当の拡充について2024年12月から開始すると明らかにした。次元の異なる少子化対策として、25年2月から予定していたが、2カ月前倒しする。これにより第3子以降は年齢を問わず月3万円となる。

 

児童手当は、子育て世帯の負担軽減などを目的に、現金を給付する制度。0~2歳には月額1万5000円、3歳から中学生には1万円を支給している。

 

ただ第3子以降は小学生まで1万5000円となる。また22年10月からは世帯主の年収が1200万円以上の場合は給付がない所得制限も設けられた。

 

こうした中、政府は23年6月に策定したこども未来戦略方針で、次元の異なる少子化対策の一環として、児童手当を拡充する方針を表明した。具体的には関連法を改正し、児童手当の所得制限を撤廃した上で、対象を高校生まで拡大する。さらに第3子以降は年齢にかかわらず3万円に増やす。

 

同日に開かれた政府与党政策懇談会で岸田首相は児童手当の拡充について、25年2月から24年12月に前倒しすると表明した。2日にまとめた経済対策にも盛り込んだ。

 

また、支給回数について増やす方針も示した。これまで毎年2月、6月、10月に前月までの4カ月分をまとめて支払う仕組みだったが、今後は年6回にする。24年10月と11月分は同年12月に2カ月分まとめて給付する。

 

岸田首相は「今後もこども未来戦略方針のスピード感ある実行に努めたい」と語った。

 

これを受け、加藤鮎子・こども政策担当大臣は10月27日に開かれた閣議後の記者会見で、「今後地方自治体の意見を丁寧に聞きながら、拡充の円滑な実施に向けた準備に取り組みたい」とコメントした。