精神疾患入院患者、75歳以上が44% 退院支援を検討〈厚労省〉

2025年0831 福祉新聞編集部
高齢入院患者について議論した

精神疾患のある入院患者のうち、75歳以上の占める割合が、2023年は4割超に上ることが8月20日、厚生労働省の「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」(座長=田辺国昭東京大大学院教授)で分かった。精神病床や精神疾患のある入院患者の数が減る一方、高齢化が進んでいることが分かった。

検討会で厚労省は、70~80代の入院患者の退院を論点の一つとした。委員からは介護保険施設や、患者の退院を支える精神保健福祉士の在り方について意見が上がった。

厚労省が示した資料によると、精神疾患のある入院患者は、23年は26万6000人で、そのうち75歳以上が11万6000人(43・6%)。02年は入院患者34万5000人に対し、75歳以上は8万2000人(23・8%)で、この20年超で高齢化が大きく進んだ。

精神疾患を有する入院患者数

認知症のある人や身体合併症の人も少なくないことから、介護保険施設や福祉施設でも受け入れが進まない実態がある。

高齢患者の受け皿は

精神病床の数はこの20年超で3万7000床減り、入院患者のうち1年以上入院する患者の割合も70%から60%に減少。今年6月には、27年4月までに精神病床5万3000床を削減することを自民、公明、維新の3党が合意し、今後は高齢患者の受け皿づくりが急務になる。

そのため、委員からは「介護保険施設で安心して療養できる環境を整えるべきだ」とする意見や、精神保健福祉士が勤務先として医療機関を選ばない傾向があることを問題視する意見が上がった。

削減後の医療資源は

削減される精神病床に勤めていた看護師などの人材をどのように活用するか、削減した後に残る精神病床にどのような機能を求めるかについても厚労省は論点とした。

人材については、残された病院の配置を手厚くすることに使うべきという考え方と、退院先の自宅や施設に出向く人材として活用すべきだという考え方が委員から上がった。

検討会は24年5月に発足。なるべく入院しなくて済む保健、医療、福祉の体制づくりを検討しており、診療所やかかりつけ医の在り方、病院内での身体拘束の問題などを議論してきた。

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