124件が支給に変更 障害年金判定を点検〈厚労省〉
2025年09月29日 福祉新聞編集部
障害年金について2024年度の不支給判定を点検している厚生労働省は19日、24年4~7月に精神障害の申請で不支給とされた2895件の点検を終え、124件(4.3%)の不支給処分を取り消し、新たに支給決定としたと発表した。引き続き点検を進め、毎月状況を公表する。
厚労省は、恣意的な審査で障害年金の不支給判定が増えているとの指摘を受け、24年度の判定分から無作為抽出してサンプル調査を実施。不支給の割合が13%あり、前年度より高くなったことから、24年度のすべての不支給判定について適切な審査が行われたか点検している。
24年度の不支給判定は約1万1000件。そのうち精神障害の申請で不支給とされたのは約1万200件。精神障害の支給判定とされたケースでも本来より下位の等級とされている可能性があり、順次点検を行う。
124件については「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」などを踏まえ、上位の等級とされる要素をより重視することが適当と判断され、新たに支給決定となった。
点検にあたっては、当初は症状の発現状況を評価していたが、症状の経過、予後の見通しも重視している。現在の病状だけでなく、点検では入院歴や薬物治療のほか、周囲の援助など背景の状況、就労関係では仕事内容や勤務状況もより重視している。
同日は、24年度の障害年金業務統計も公表された。不支給とされた割合は13%(1万8982件)で、前年度より4.6ポイント増えた。厚労省はサンプル調査と有意な差は見られなかったとしている。