手話をもっと身近に 小学生が福祉体験〈埼玉・熊谷市〉
2025年08月13日 福祉新聞編集部
こどもの夏休み期間中に各地で福祉体験会が開かれている。埼玉県の熊谷市社会福祉協議会ボランティアセンターは7月29日、ろう者のことを知って手話であいさつするプログラムを市内で開催した。小学1~6年の16人が参加し、「おはよう」「こんにちは」や、自分の名前の手話を学んだ。こどもたちは「難しいと思ったけれど意外と簡単だった」「1日たっても覚えているようにしたい」と意欲的だった。
講師の田中智佳子さん(市ろう者協会)は、聞こえないとはどんなことかを説明。困ることとして、レジで店員に話し掛けられても聞こえないので無視したと思われる。電車内のアナウンスが聞こえないため状況が分からないことなどを挙げた。後ろから声を掛けるときは優しく肩をたたいて呼んでほしいとお願いした。
こどもたちは手話の慣れない動きにぎごちなさもあったが、自分の名前の手話を覚え、もっと学びたいという意欲も垣間見えた。田中さんは「こどもたちは頭が柔らかく、教えたらすぐに覚えてくれる」と感心した。
6月施行の手話施策推進法では、基本理念の一つに手話に関する国民の理解の増進が掲げられており、田中さんは「これからも手話を教えていきたい」と話した。