障害福祉サービス、営利法人の事業所増 質の検証必要〈厚労省〉
2025年07月22日 福祉新聞編集部
厚生労働省は6月25日、「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」を開き、次期報酬改定に向けて、グループホーム(GH)、就労継続支援A型、同B型など6サービスの2024年度報酬改定前後のデータを示した。全体的に営利法人主体の事業所が増えており、サービスの質の検証を求める意見が複数出た。
同チームは厚労省、こども家庭庁内で報酬改定を検討するために設置され、有識者10人がアドバイザーとして参加している。
特に有識者から検証が必要とされたのはGH。24年12月時点で1万4247カ所あるうち営利法人主体は4割(5764カ所)を占め、ここ4年弱で3331カ所増えている。GHの3類型でみると、日中サービス型がここ4年弱で146カ所から832カ所に増え、伸び率が高い。
有識者からは「支援度の低い人が選ばれ、本当に支援が必要な人ほど利用しにくい実態を感じている」「サービス提供時間など設置主体による質の違いがあるか検証する価値がある」ほか、地域差の観点から「営利法人は採算性を重視する。サービスの質や継続性をしっかり見ていかないといけない」という指摘もあった。
厚労省は現在策定中のガイドラインに基づく運営を行うことを検討するなど、GHの質の向上に取り組むと応じた。
就労継続支援A型については、営利法人主体の割合は増えているが、24年12月時点の総事業所数は4384カ所で、報酬改定前(24年3月)から250カ所減った。報酬改定でマイナス評価が導入されたことなどが影響したとみられるが、有識者からは廃止となった事業所を利用していた障害者の受け入れ先を懸念する意見などがあった。
厚労省は有識者の意見を参考に、次回も次期報酬改定に向けた検証を深めていくとしている。