財政審が予算編成へ議論開始 11月にも意見書

2024年1027 福祉新聞編集部

財務省は16日、財政制度等審議会財政制度分科会を開催した。「財政総論」をテーマに、2025年度の予算編成に向けて話し合った。

財務省は新型コロナや物価高に対応するため、20年度以降「従来と比べて突出した水準の補正予算を計上してきた」と強調。結果として、20年度の繰越額は30兆8000億円、22年度の不要額は11兆3000億円といずれも過去最高だった。

こうしたことなどから財務省は、今後想定外の有事が発生した場合でも、必要な財政措置を講じることができるよう「財政の強靱化」を進めることが重要だと強調した。

物価については、消費者物価上昇率が24年8月時点で2・8%になるなど2%を上回る水準で推移。そのため政府支出での対応を求める声も大きくなっている。

ただ、12~22年度の医療・介護に関する保険給付費などの伸びは年プラス2・6%。これに対して、12~22年度の雇用者報酬の伸びは年プラス2・1%だった。給付費が雇用者報酬を上回って増加しており、保険料率も上がっている。

財務省は「物価や賃金の伸びを給付に反映した場合、ますます保険料率が上昇し、現役世代の負担がさらに増加することにも留意が必要」と指摘した。

増田寛也分科会長代理は「経済成長と財政健全化の両立が必要」と述べ、予算編成に反映することが重要との考えを示した。予算編成に向けた意見書(建議)は11月中にもまとめる予定だ。