施設のこどもたちの疑問解決 ウェブサイト「すだちず」開設

2024年0309 福祉新聞編集部
さまざまな分野の質問に回答している

朝日新聞厚生文化事業団は1日、児童養護施設で暮らすこどもたちの疑問に答えるウェブサイト「すだちず」を開設した。回答するのは施設出身の学生や専門家などで、巣立ちの時期に特化した「権利ノート」のようなツールを目指す。

 

サイトは、学生や専門家で構成する制作委員会が作った。若者らが実際に中高生にヒアリングし、集めた500問を超える質問に対する回答を掲載している。

 

例えば、高校2年生からは「奨学金は借金になる? 大学進学にかかる学費が高額なので、お金が心配」という質問が出た。これに対し、給付型奨学金を三つ受けているという施設出身の大学3年生が「私は親からの経済的な支援は一切ないが、今も安定した大学生活を送れている」と回答した。

 

「社会的養護出身ということに孤独を感じる」という高校3年生の悩みには、複数の学生が精神的に不安定になったときの個人的な対処法などを紹介している。

 

制作委には、赤池裕・全国児童養護施設協議会副会長、北川聡子・日本ファミリーホーム協議会長、河内美舟・全国里親会長らも参加。委員長を務めた相澤仁・大分大教授は「こどもや若者が、歩んでいきたい世界へ巣立ち、将来も幸せな状態で生活を送れるために、新たなツールとなれば」とコメントしている。

 

すだちず – 権利マップ/新しい権利ノート