社会的養護出身者の支援拠点が誕生 長野県社協が運営

2025年0520 福祉新聞編集部
関係者が集い開所を喜んだ=長野県社協提供

長野県内で初となる社会的養護自立支援拠点が今春、長野市に誕生した。県内の児童養護施設(15カ所)や里親のもとで育った若者らに居場所を提供し、自立に向けた支援をする拠点で、県社会福祉協議会が運営する。児童養護施設勤務の経験がある生活相談支援員や保育士資格を持つ就労相談支援員ら4人が常駐し、生活や仕事の悩みに寄り添いながらサポートしていく。

休眠預金を活用して県社協が昨年度までの3年間、関係団体と連携しながら展開した「社会的養護出身の若者サポートプロジェクト」を発展させ、今年度からは県の補助を受け、「信州地域養護若者サポート拠点」として支援の充実を図る。

拠点の名前は「わかさぽBase」。長野市東鶴賀町にあるビルの一角に整備し、若者がくつろげる交流スペースや相談室などを備える。平日の午前8時半から午後5時まで。電話やメールでの相談も受け付ける。これまでも実践してきた就労体験先の紹介や居住支援なども提供する。

4月24日にわかさぽBaseで開所式があり、県社協の竹内善彦常務理事、県児童福祉施設連盟の川瀬勝敏会長、県里親会連合会の牟む禮れ孝貴会長らが出席した。

社会的養護自立支援拠点事業は都道府県や指定都市が実施できる。社会的養護出身者や虐待経験などがありながらも公的支援につながらなかった若者らを対象に、交流できる場の提供や、生活、就労に関する相談支援、関係機関との連絡調整を行う。昨年5月1日時点で、51自治体の56カ所が実施されている。

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