乳児院職員殺害受け、国に再発防止を要望〈全養協・全乳協〉
2025年07月01日 福祉新聞編集部
佐賀市の乳児院みどり園で5月31日夕、女性職員が一時保護されていたこどもの母親に包丁で切り付けられて死亡した事件を受け、こども家庭庁は一時保護中の保護者対応の徹底を求める通知を都道府県、児童相談所設置市に出した。また、全国児童養護施設協議会と全国乳児福祉協議会は再発防止に向けた検証や安全確保に向けた措置を国に緊急要望している。
同庁の通知は6月6日付。「子ども虐待対応の手引き」などで示す対応方法を踏まえ適切な対応を徹底するよう改めて求めた。一時保護中のこどもと保護者が面会する際、突発的事態に備えて必ず児相職員が同席することとした。こどもの一時保護先を保護者に知らせた後、保護者が強引にこどもを引き取ろうとした場合は施設を変更して非開示にすることも検討する。
事件を受け、全養協と全乳協は6日、三原じゅん子こども政策担当大臣宛ての緊急要望書を提出。再発防止に向けた検証や、児相の体制強化、児相職員の専門性向上を図るよう求めた。
また、事件以前に保護者が児相でトラブルを起こし警察に保護されていたにもかかわらず、この情報が一時保護委託先の施設に伝えられていなかったことを踏まえ、情報共有の徹底も要望した。
親子の面会交流については、こどもの育ちや親子関係再構築の観点から重要だとして、こども、保護者、職員がともに安心・安全に交流できる体制を検討して体制構築に向けた財源確保を図るよう求めた。