東京都が多摩地区の児相再編 町田市に12カ所目新設
2025年06月05日 福祉新聞編集部
東京都のうち23区と島しょ部を除いた30市町村(多摩地域)で都立児童相談所の再編計画が進められている。新設と管轄区域の見直しを通じ、管轄人口の適正化や利便性向上を図る。第1弾として、八王子児相管轄の町田市に都立町田児相が6月開所した。昨年開設した練馬児相に次いで12カ所目の都立児相となる。
児相が管轄する区域の人口については、政令ではおおむね50万人以下と示されており、国の解釈通知では管轄人口の目安を20~100万人としている。一方、多摩地域にある4都立児相のうち、小平、八王子両児相は管轄人口が100万人を超えている。
こうした背景から、都は利便性向上を図る観点なども踏まえ、2031年度までに町田と武蔵野、福生の3市に児相を新設して管轄区域の見直しを図っていく方針だ。これにより、小平児相の管轄人口は75万人、八王子児相は56万人となる見通し。
町田児相は町田市子ども家庭センターと同一施設内に開設され、管轄区域は同市のみ。児童福祉司ら職員は60人強を見込む。緊急受理会議を合同で実施するなど都と市が緊密な連携を図り、虐待の未然防止や重篤化を防いでいく。
5月27日に開所式があり、都と市の関係者計約30人が出席。石阪丈一町田市長は祝辞で「児相と市が積極的な連携を進めることで市職員の専門性向上にもつながる。民生委員・児童委員ら地域の支援者と児相との関係も近くなり、こどもを見守るさまざまな関係者も活動に一層力が入る」と述べた。
町田児相は現状、相談機能のみで、30年度以降、同市が整備予定の「子ども・子育てサポート等複合施設(仮称)」に移転して一時保護所も設ける予定だ。