学習支援の高校生が高級ホテルでマナー研修(八尾隣保館・大阪)

2025年0421 福祉新聞編集部

4月から新高校1年と2年生になった8人が3月26日、大阪の御堂筋に面したラグジュアリー・ライフスタイルホテル「W大阪」で、テーブルマナー研修を受けた。

社会福祉法人八尾隣保館(荒井惠一理事長)の母子生活支援施設ルフレ八尾(八尾市)が企画。ルフレ八尾が展開する学習支援「びはーと」と居場所支援「はにかむ」に通う、母子家庭や家族介護のこどもたちが参加した。

18歳になると、高校生も選挙権を得る。就職の準備など、社会との接点も増えてくる。

「社会に出ても、自信を持って暮らせるように」

ルフレ八尾の施設長、小林幸子さんらが企画して、高級フレンチによるテーブルマナー研修が実現した。

「皆さん、エチケットとマナーの違いを知っていますか。エチケットは、人付き合いを円滑にする日常の心得、ルールです。マナーは、ルールを踏まえた上で、相手の状況や感情を考慮した思いやり、優しさの行為です」

「例えば、登校して先生と会ったら『おはようございます』と、あいさつしないといけないと思うのがエチケット。その時、先生が携帯電話で話していたとすると、気を使って頭を下げるだけで通り過ぎる。それがマナーです」

講師を務めた料飲部長の黒羽大輔さんは、そう話した。

続いて、「ナプキンの用途は服を汚さないためではなく、口を拭くため」「テーブルと椅子の間は、こぶし二つが入るぐらいに空けると姿勢が良くなる」などのポイントを紹介。「一番大事なのは、楽しく食事をすることです。笑顔とおしゃべりを楽しんでください」と結んで、食事が始まった。

2014年、学びの機会を失いがちなこどもたちに学習支援をと、地域のこどもたちも対象にして「びはーと」を開設。22年には、居場所支援「はにかむ」をオープン。高校生になった家族介護のこどもたちも含めて、四季の行事などを行い、ほっこりできる時間と空間をつくった。

そして、約2時間のコース料理によるテーブルマナー研修が実現。生徒らは「おいしい」を連発。「エチケットとマナーの違い」もしっかり体得して、くつろぎながら、フレンチを楽しんだ。

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