定員6人を4人へ 日本ファミリーホーム協議会が研究大会で訴え

2023年0829 福祉新聞編集部
北川会長

 日本ファミリーホーム協議会は8月3、4両日に和歌山県内で、全国研究大会を開催した。ファミリーホーム(FH)でケアニーズのあるこどもが増える中、北川聡子会長は定員を現行の最大6人から4人にすることを訴えた。

 

 実親と暮らせないこどもを家庭で育てるFHは制度上、家庭養護に位置付けられている。里親が最大4人なのに対し、FHの定員は5~6人。現在、全国に446カ所あり、1718人のこどもが暮らす。

 

 体制は、常勤1人と非常勤2人分が措置費として出ている。自宅で里親経験のある夫婦が専業で担うケースが4割に上っており、このほか施設職員同士が結婚した場合などに、法人が雇用したまま運営する法人型もある。

 

 大会のシンポジウムで北川会長は、現在の措置費の総額を変えず、定員を4人に減らすことを求めた。理由はケアニーズの高いこどもが増えているためだという。

 

 2022年度の国の調査研究では、FHで発達上の特徴や障害のために注視の必要なこどもが9割に上った。通院するケースも4割以上になるなど「現実は6人のこどもとワイワイ暮らすという状況ではない」(北川会長)。

 

 また、北川会長が理事長を務める社会福祉法人が北海道内で運営するFHの収支計算書も公表した。4カ所のFHの収入はそれぞれ年2000万円ほどだが、すべて赤字だった。このうち1カ所の赤字は700万円に上っていた。

 

 北川会長は、こども6人に対する職員配置が最大で6・5人になる小規模児童養護施設と比較しながら「FHはこどもの声に耳を傾けられない状況がある。国際的にも異例だ」などと述べ、今後も国に制度改善を求める考えを示した。

 

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