介護職員の月給31万8230円 ベア加算で5.8%増〈厚労省〉

2023年0629 福祉新聞編集部

 厚生労働省は6月16日、「介護従事者の処遇状況等調査」の結果を公表した。2022年10月に創設された「介護職員等ベースアップ等支援加算」を取得した事業所で働く常勤介護職員の、同年12月の平均給与は31万8230円だった。前年同月より1万7490円(5・8%)増えた。給与額には基本給、各種手当、賞与(12分の1)が含まれる。

 

 同加算は岸田政権による介護職員らの年収の3%の賃金改善を図る方針を受けて創設された。増加幅は5・8%で単純計算では3%を超えたことになり、厚労省は「一定の効果があった」としている。ただ、昨年の全産業平均月給36万1000円と比べると、依然として約4万3000円の開きがある。

 

 同加算では加算額の3分の2以上をベースアップなどに充てる要件があり、7割の事業者が賃金改善をベースアップなどのみで対応していた。具体的には「手当の新設」が7割で最も多く、ほかに「既存手当の引き上げ」「給与表の改定」「定期昇給」が1~2割あった。

 

 介護職員以外に配分した職員の範囲は生活相談員、看護職員が5割、事務職員、介護支援専門員、理学療法士などが3割だった。

 

 一方、同加算を取得していない事業所が1割あり、理由は「賃金改善の仕組みを設ける事務作業が煩雑」「計画書や実績報告書の作成が煩雑」など。

 

 厚労省は計画書や実績報告書の様式を簡素化し、専門家による加算取得の支援も行っており「今後も対策をとりたい」としている。

 

 調査は特別養護老人ホーム、デイサービスなど1万2263カ所を対象に実施。有効回答率は59%だった。

 

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