こども家庭庁、社会的養育部会が初会合 次期計画で整備目標設定

2023年0529 福祉新聞編集部

 こども家庭庁は5月16日、こども家庭審議会社会的養育・家庭支援部会の初会合を開催した。部会長には山縣文治・関西大教授が就任。今年中にまとめる都道府県社会的養育推進計画の新たな策定要領に向け議論する。会合では次期要領で、将来的な施設の数を入れる方針も明らかになった。

 

 開会にあたり吉住啓作・同庁支援局長は、昨年の改正児童福祉法で、子育て家庭への包括的な支援に向けた体制強化などを盛り込んだことを紹介。その上で、2025年度からスタートする推進計画に向けた準備への協力を求めた。

 

 会合では推進計画の見直しについても触れた。現行の課題として里親等委託率以外の整備目標が不明確であることや、評価指標も不十分であることを挙げた。そのため次期計画では、さまざまな資源についての整備目標を設定する方針を明らかにした。具体的には、児童養護施設や乳児院などの施設、児童家庭支援センター、里親支援機関、自立支援機関などを挙げた。

 

 整備目標について、こども家庭庁支援局家庭福祉課は本紙の取材に「施設数は地域の需給状況に応じて適切に決めるものであり、急に施設数を下げる方向性を意味するものではない」とコメントした。

 

 これまで社会的養育に関しては、厚生労働省の社会的養育専門委員会で議論していた。同庁創設後は、この部会と児童虐待防止対策部会で役割を担うことになり、一部委員も刷新された。

 

 赤池裕・全国児童養護施設協議会副会長は「こども家庭庁が発足して1カ月たったが、我々の業界が恩恵を受けた実感はない」と強調。施設には障害のあるこどもたちが増えて疲弊している現状を話し、職員配置の在り方を見直すよう求めた。

 

 また、横川哲・全国乳児福祉協議会副会長は多機能化に向けて、特に産前産後母子支援事業や親子通所などの「予防的支援」に力を入れる考えを示した。 村上幸治・全国母子生活支援施設協議会副会長は「どの地域でも平等に支援が受けられるようにしてほしい」と要請した。

 

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