こども家庭センターに社会、精神保健福祉士を 4団体が要望書
2023年02月13日 福祉新聞編集部日本社会福祉士会(西島善久会長)や日本精神保健福祉士協会(田村綾子会長)など4団体は2月8日、小倉將信・こども政策担当大臣に対し、こども家庭庁の創設に向けた要望書を提出した。創設される「こども家庭センター」に社会福祉士や精神保健福祉士を常勤で必置とすることなどを求めている。
同センターは母子保健法に基づく子育て世代包括支援センターと児童福祉法に基づく子ども家庭総合支援拠点を一体化するもので、2024年度から本格的に市区町村に設置される。産前から子育てまで一体的なマネジメントを行うのが特徴だ。
要望書は同センターの機能について「ソーシャルワーカーの果たす役割は極めて大きい」と強調。「支援の質を保証する観点からも必要な技術や知識を持つ有資格者の配置が欠かせない」としている。
現状、同拠点には両福祉士も位置付けられており、中でも虐待対応の職員は約3割が資格を持つという。
また要望書は、いじめや虐待の対応に向けて、すべての小中学校に、両福祉士をスクールソーシャルワーカー(SSW)として常勤配置するよう求めた。
現在、全国の小学校と中学校で採用されているSSWは21年度時点で約3000人。文部科学省は19年度までに1万人の配置を目指したが、目標には遠い状況となっている。
20年度調査ではSSWの正規雇用は6%にすぎず、改善が不可欠とみている。
同日、2団体と日本医療ソーシャルワーカー協会(野口百香会長)、日本ソーシャルワーク教育学校連盟(白澤政和会長)は、橋本岳・衆院議員と共に内閣府を訪れ、要望書を提出。対応した和田義明・内閣府副大臣に対し、白澤会長は「高齢分野の地域包括支援センターは社会福祉士が必置だ。財源の措置も含めて対応をお願いしたい」と述べた。
これに対し和田副大臣は、現在こども家庭センターの運営基準を検討している段階だと説明し、各省庁としっかり連携した体制づくりを行う考えを示した。
要望書は厚生労働省と文科省にも提出している。