日本生協連が福祉機構を設立 「組合員、市民が一緒に協同のまちづくりを」
2022年07月05日 福祉新聞編集部日本生活協同組合連合会は6月17日、「一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構」を立ち上げた。生協グループの福祉事業の強化、地域ごとの事業拡大が目的。生協を母体とする六つの社会福祉法人を含め計31の生協が参加する。
主な事業は三つ。日本生協連が提唱する「生協10の基本ケア」の普及拡大を図る。介護職員向け教育体系の標準化、学習会の開催、ネットワークづくりのほか、SNSで生協内外に広く発信する。
人材確保・定着と教育の仕組みづくりでは、介護職員が先進的な法人で地域密着型サービスの運営などを学べる仕組みを構築する。新たに外国人材受け入れと介護の魅力発信のプロジェクトをそれぞれ立ち上げる。採用ポータルサイトも開設する。
経営支援にも重点を置き、エリアごとに支援担当者を配置して相談に応じる体制を整備する。各法人の経営ノウハウを共有し、経営改善、新規事業開設、ICT(情報通信技術)・業務改善などに生かす。物品の共同調達も行う。
機構設立の背景には、購買生協全体で福祉事業の収入が約500億円ある一方で、経営基盤の弱い小規模法人が多く、法人形態が異なるために協同の取り組みが限定されていることがある。
機構は社会福祉連携推進法人の要件(参加法人の半数が社会福祉法人)を満たさないが、外国人技能実習の監理団体となるために機構内に連携推進法人を設立することを検討する。
6月23日の会見で村城正代表理事(社会福祉法人協同福祉会理事長)は「福祉事業者と組合員、市民が一緒になって協同のまちづくりを実現したい」と意気込みを示した。