虐待死、0歳児が7割弱 23年度死亡検証を公表〈こども家庭庁〉

2025年0920 福祉新聞編集部

こども家庭庁は11日、虐待による死亡事例の検証結果(2023年度)を公表した。23年度に虐待で死亡したことが判明したこどもは前年度比7人減の65人。心中以外で亡くなった48人のうち0歳児が68.8%を占め、過去最高だった16、20年度の65.3%を上回った。

心中以外で死亡した0歳児33人のうち、生後24時間に満たないで死亡したと考えられる「0日児」は16人で約半数を占めた。

0日児の虐待の累計は、ネグレクトが8人、身体的虐待が7人、不明1人だった。直接の死因については出産後に放置されたのが7人で最も多く、窒息4人、不明やその他が5人だった。

0日児のうち、医療や福祉など関係機関の関与があったのは1人だけだった。同庁は予期しない妊娠などにより、どうしてよいか分からず、孤立状態で追い詰められているケースが多いとの認識を示し、全国各地にある妊娠の悩み相談窓口にアクセスできる情報サイトを年度内に立ち上げる方針だ。

一方、民間では追い詰められた母親と赤ちゃんを守る最後の砦とりでとして、親が育てられない乳児を匿名で預かる「赤ちゃんポスト」、病院の担当者のみに身元を明かして出産する「内密出産」に取り組む医療機関も出てきており、慈恵病院(熊本市)に次いで国内2列目となる賛育会病院(東京都墨田区、社会福祉法人賛育会)が3月末にスタートした。大阪府泉佐野市は自治体主導で来年度中の開始を目指して準備を進めている。

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