移動図書館が公園巡回 保育教諭が絵本紹介、育児相談も〈あおい会・横浜〉

2025年1221 福祉新聞編集部
小松園長(右)と絵本を選ぶ親子

横浜市内で認定こども園と保育所4施設を運営する社会福祉法人あおい会(同市保土ケ谷区、伊藤弓子理事長)は今秋、移動図書館「わくわくルーナ号」の運行を始めた。約600冊の絵本を積んだ軽自動車が地域の3公園を月1回訪問。保育教諭が年齢に応じたお薦めを親子に紹介するなど絵本に親しみを持ってもらうほか、アウトリーチ型子育て支援として育児相談や必要に応じて支援機関の紹介にも当たる。

同会は全園児に年齢に応じた絵本を月1冊贈呈しており、親子で絵本に親しむ後押しをしている。また、全4施設で未就園児(0~2歳)と保護者の居場所「FUNFUNルーナ」を開催するなど地域の子育て支援にも力を入れる。一方、こうした子育て支援の場に参加したことがなく、行政とのつながりが希薄な子育て世帯もいる。

デジタルデバイスが普及した昨今、紙の絵本の魅力を伝え、アウトリーチで地域の子育て世帯とつながる機会になればと、伊藤理事長が移動図書館車を購入して公園に出向くことを決断した。

軽の移動図書館車(580万円)を図書館流通センターで購入。車に積む絵本およそ600冊の購入費なども含めると総額750万円の法人負担となった。保土ケ谷区内にある3公園の管理者それぞれに許可を取り、11月から月1回の午前10時~午後0時半、同会の認定こども園りとるルーナの小松純子園長と、保育教諭の計5人体制で出向いている。

法人のSNSや近隣の子育て支援センターを通じて広報。運行開始から1カ月、まだまだ認知度は低いが、公園に遊びに来た親子、近隣の保育施設に通う園児が立ち寄り、リピーターの親子も出始めた。

親子で好きな絵本を選び、移動図書館横に設けたテント内でいすに座って絵本を楽しむことができる。絵本選びに迷った際は保育教諭が年齢に合ったお薦めを紹介。絵本の貸し出し(約1カ月)もしており、翌月の移動図書館や施設に直接返却することが可能だ。

小松園長は「公園遊びの延長で立ち寄って、育児などの困り事を気軽に相談してほしい。今後、訪問時間など親子に利用してもらいやすい方策を検討したい。訪問先も増やしていければ」と意気込んでいる。

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