保育に飛ぶ、跳ねる、投げる オランダ式体育を導入(聖ヨゼフ保育園、東京)

2025年0123 福祉新聞編集部
オランダ式体育はさまざまな動きをベースにしている

社会福祉法人聖母の会が運営する聖ヨゼフ保育園(東京都渋谷区)は、3歳児以上を対象にオランダ式の運動遊びを定期的に実施している。飛ぶ、跳ねる、投げるなど数種類の動作を自分の意思で続けることで、こどもの能力を引き出すのが狙いだという。

「どれからやりたい?」。昨年12月上旬、教室内にはトランポリンやトンネル、跳び箱など8種目が準備されていた。担当スタッフの声掛けで、こどもたちは次々に気になる種目へと走っていった。

約30分にわたり、こどもたちは歓声を上げながら自ら選んだ種目を休みなく続ける。担当スタッフはけががないよう寄り添うだけだった。

こうした活動は、都内で運動教室を運営する「レッカーズ」に委託して実施。プログラムは、日本の中学高校で10年間体育教諭として勤務した後、オランダで運動理論を学んだ安井隆氏が開発した。

「野球やサッカーなど競技そのものではなく、動きをベースに展開するのがオランダ式の強み」と安井氏は話す。教師の指示で一律に展開する日本の体育とは異なり、こどもが自由に種目を選ぶのも特徴だ。全80種目のうち、毎回数種類を準備する。

同園は「こどもが自ら考えて動くことで、チャレンジ精神も育める。発達状況や年齢に関わらず、それぞれが持つ本来の能力を引き出すことができれば」と話す。同園はこのほか音楽など複数の分野でほかの団体と連携し、特徴ある園づくりを進める考えだという。