ヤングケアラー理解を 甲府市がデジタルハンドブック作成

2024年0529 福祉新聞編集部
小学生向けのデジタルハンドブック

甲府市は9日、ヤングケアラーについて理解を深めてもらうためのデジタルハンドブックを作成したと発表した。市立小中学校の約1万2000人のこどもたちが使用しているタブレットのトップページに載せるとともに、市のホームページやSNSなどでも配信する。

デジタルハンドブックは、政府のヤングケアラー啓発アドバイザーを務めた田中悠美子・一般社団法人ケアラーワークス代表理事の監修のもと、同市でのヤングケアラー・コーディネーターの支援経験を踏まえて作成した。

見やすく、分かりやすいようにパステル調のデザインを採用。小学生向けと中高生向けを作成し、それぞれ年齢に応じたイラストや言葉を使っている。

「ケア」と「お手伝い」の違いなどについての基本的な解説や、ヤングケアラーだった人の体験談などを掲載。フロー形式で自分の生活と照らし合わせることで、ヤングケアラーかどうか判定することもできる。

デジタルハンドブックを読んで、「友達がヤングケアラーかも」と思ったときには、信頼できる大人に相談するよう促すことで、早期発見・早期支援につなげたい考え。

市は、ヤングケアラー・コーディネーターを「子ども・青少年総合相談センター」に3人配置しており、2023年度は43件の新規相談を受けたという。

同日、記者会見した樋口雄一市長は「こどもたちを誰ひとり取り残さない支援に結び付けられるよう、効果的な周知啓発に努めていきたい」と述べた。