鳥取短大の保育士養成、入学者減で検討会(鳥取県)

2024年0502 福祉新聞編集部

鳥取県は4月16日、幼児教育保育学科の入学者が減少する鳥取短期大(学校法人藤田学院)の保育人材養成強化に向けた検討会の初会合を開いた。平井伸治知事や松本典子同短大学長、大橋和久・県子ども家庭育み協会長ら計5人で構成し、入学者確保戦略や県の修学資金貸付制度について意見交換した。

18歳人口の減少や4年制大の人気が高まっていることを背景に、全国的に短大が苦境に立たされている。文部科学省の学校基本調査によると、2023年度の短大学生数は8万6686人で、ピークだった1993年度(約53万人)から84%減少している。

鳥取県では県立保育専門学院が、施設の老朽化や卒業時に幼稚園教諭免許の取得ができないといった課題から2014年度末に廃止された。県は保育士養成機能を同短大に引き継いでもらうとともに、修学資金貸付制度を創設した。

同短大の幼児教育保育学科の定員は140人だが、今年度の入学者は62人にとどまった。昨年度より43人も少なく、昨今でこれほど減少したのは初めてだ。ほかにも県内では鳥取大が保育士を養成しているが、同短大と比べると定員数は少ない。

同短大の入学者数の減少は県内の保育士不足を一層加速させることにつながり、危機感を募らせた県が入学者確保や人材養成強化に向けた検討会の立ち上げを決断した。

初会合では、短大側が県の修学資金貸付制度の見直しを要望。所得要件や人数制限を撤廃し、貸付金額(現在月額3万円)を増額すべきだと訴えた。第2回を5月中にも開き、25年度の入学者に対応できるよう、貸付制度の見直しに向けた議論を進める予定だ。