支援金制度創設へ 子ども・子育て支援法等改正案が衆院で可決

2024年0427 福祉新聞編集部

少子化対策の強化を目指す子ども・子育て支援法等改正案が19日、衆議院本会議で与党の賛成多数で可決された。児童手当の大幅な拡充など子育て家庭への支援を強化する一方で、財源として新たに公的医療保険に上乗せして徴収する支援金制度をつくる。法案は参議院で審議され、今国会で成立する見通し。

改正案は、児童手当の所得制限を撤廃し、期間も中学から高校生年代まで拡大する。また、妊娠期の負担軽減に向け、給付と相談をセットにした総合的な支援も実施。親が就労要件を満たさなくても保育所に預けることができる「こども誰でも通園制度」を創設する。

こうした施策について政府は3兆6000億円の予算が必要と見込んでいる。このうち2兆1000億円は、医療保険を通じて企業や国民が拠出する支援金制度と、歳出改革を行うことで賄う。

これまでの議論で政府は2026年度の負担額について、こどもも含め1人当たり月450円などとする試算を公表している。

討論で与党は支援金制度について、すべての世代と企業がこどもや子育て世帯を支える仕組みだと評価。一方、野党は「歳出改革などで実質負担がないというのは詭弁きべん」などと主張した。

付帯決議も

法案には付帯決議が19項目ついた。

支援金制度については、拠出が歳出改革などによる社会保険負担軽減効果の範囲内に収めるよう明記している。また、全世代型の社会保障制度改革の際、介護サービスで必要な保障が欠けないよう丁寧な検討も求めた。少子化対策の施行状況については、効果検証と見直しを行うことも盛り込んだ。

さらに、新設の妊婦等包括相談支援事業では、伴走者が一貫してサポートする仕組みについて検証することも要望した。誰でも通園制度では、医療的ケア児や障害があるこどもでも使いやすいように取り組むことを求めている。