共同親権でパスポート発給に父母の同意必要(法務省)

2024年0411 福祉新聞編集部

離婚後の父母が共同で親権を持てるようにする民法改正案に関連し、共同親権を選んだ父母のこどもが修学旅行などで海外に行く場合のパスポート(日本国旅券)の発給には父母の合意が必要であることが分かった。

 

現在も父母の一方が同意しない場合、父母の合意が確認できてから発給する運用がなされているとした。2日の衆議院法務委員会で、竹内努法務省民事局長が枝野幸男氏(立憲民主党)に答えた。父母いずれかが単独で行使できる「教育」の範囲外だとした。

 

改正法案は婚姻中の父母や離婚後に共同親権を選んだ父母の場合、親権の行使は共同で行うことが原則だと規定。

 

一方、緊急時や監護・教育に関する日常の行為は単独で行使できると定めている。

 

しかし、何が監護や教育の日常行為に当たるかは不明。こどもが病院で手術を受ける際の同意も日常行為かどうかあいまいだ。

 

父母双方の同意が必要だとする医療法上の規定はないが、片方の同意をもって手術した病院が訴えられて敗訴した事例もある。

 

これに関連し、厚生労働省の宮本直樹大臣官房審議官は同日、道下大樹氏(立憲民主党)に対し、「現在も医療機関が父母双方に同意を求める実態がある。どういう場合が緊急(片方の同意でよい)か示したものはないが、今後示していきたい」と答弁した。