東京都がこどもの事故防止で提言 特設サイトで公開

2024年0322 福祉新聞編集部

東京都はこどもの転落事故を防ぐための提言書を取りまとめ、1日に「東京都こどもセーフティプロジェクト」のホームページで公開した。事故事例の分析や、こどもの行動特性の解析などで得られたエビデンスを基に予防策を提示した。

 

事故種別ごとの救急搬送件数(0~5歳)で「転落」が最も多いことを受け、転落事故の調査・分析を実施。東京消防庁の救急搬送データを用いての事例分析や乳幼児がいる保護者への聞き取り調査などに加え、保育所の協力を得て、こどもがよじ登れる「高さ」や、よじ登る際に使う「力の大きさ」を専用装置で年齢別に計測し、これらのデータを3D解析した。

 

提言書では、こうした調査の結果で得られたエビデンスとともに、五つの予防策を紹介している。

 

例えば、こどもは最大で体重の約半分の力で家具を引っ張っていることが分かり、家具の配置見直しに加え、倒れる可能性がある家具の固定を提言した。

 

成長とともによじ登れる高さは高くなり、3歳児では85センチまで登れるこどもがいることも判明。70センチを超える高さからフローリングの床に転落した場合、頭部への損傷の危険性が大きいため、床の材質を見直したり、クッションマットを敷いたりすることが大切だとした。

 

東京都こどもセーフティプロジェクト