誰でも通園の試行事業 京都府が独自で親支援強化

2024年0221 福祉新聞編集部

京都府は、就労要件を問わず、こどもを保育所などに預けることができる「こども誰でも通園制度」(仮称)の試行事業を活用して、府独自で保護者支援を強化する方針だ。

 

誰でも通園制度は保育所などに通っていない0歳6カ月~満3歳未満児が対象で、法律に基づく新たな給付制度で実施。2025年度に制度化し、26年度からの全国展開を目指す。

 

1人当たり月10時間の利用を上限とした試行事業は本年度中にも始まる。およそ150自治体での実施を想定し、1月17日現在108自治体の参加が決まっている。

 

誰でも通園はこどもの育ちを支えることが大きなテーマだが、府は同時に「親育ち」の重要性も訴えている。

 

府内の保育団体から、保護者が子育てに自信が持てずに悩んだり、府外出身の保護者が孤立したりするなど、こどもに加え、保護者支援も大切だとの声が上がっていた。

 

試行事業の実施要綱では、こどもが慣れるまで親子通園が可能としているが、府はこの親子通園を積極的な保護者支援につなげることを考案。24年度当初予算案に1500万円を計上し、保護者を支援するために必要な保育士加配など人件費に充てる。

 

試行事業を利用する保護者のうち、孤立や育児疲れに悩む人をメインターゲットに、こどもが環境に慣れた後も、親子通園を継続できるようにすることを想定。子育てを学ぶ機会を提供することはもちろん、親同士の交流の場にもしてもらう。

 

府によると、「親子誰でも通園制度」と銘打ち、詳細は今後詰める。試行事業に参加の京都、宇治両市で実施し、府保育協会や京都市保育園連盟とも意見交換しながら制度設計を進める。