初のこども大綱を決定 今後5年の政策方針示す
2024年01月10日 福祉新聞編集部政府は12月22日、今後5年にわたるこども政策の方針を示す初のこども大綱を閣議決定した。妊娠出産に関する相談体制の強化や、いじめ防止などライフステージごとに行うべき重要事項を定めている。
大綱は、政府が掲げるこどもまんなか社会について「すべてのこども若者が身体的・精神的・社会的に将来にわたって幸せな状態で生活を送ることができる社会」などと定義。その上で「誕生前から幼児期」「学童期・思春期」「青年期」といったライフステージごとの重要事項を定めている。
具体的には産前産後の時期において、切れ目のない継続的な支援体制の構築を提示。学童期では、いじめ防止の強化を盛り込んだ。
また、ライフステージを通した重要事項には、社会的養護の推進や、虐待防止対策、貧困対策などを位置付けた。
このほか、こどもまんなか社会の実現に向けた数値目標を12項目設けた。
例えば、国の意識調査などで「今の自分が好き」と答える割合を現状の60%から70%に引き上げる。同様に「自分の意見を聴いてもらえている」とする割合は20・3%から70%に上昇させる。
大綱は2022年に成立したこども基本法に規定。従来の少子化社会対策大綱や子供の貧困対策大綱などを一元化している。
大綱に基づき政府は今後、首相をトップとするこども政策推進会議で、毎年6月頃にこどもまんなか実行計画(仮称)を作る。
また同法は大綱に基づいて都道府県や市町村に「こども計画」を策定するよう努力義務を課しており、今後はこども政策の議論が地方自治体にも波及するとみられる。