保育士配置、2倍必要 保護者団体が加藤大臣に要望
2023年12月25日 福祉新聞編集部保育所にこどもを通わせる保護者の団体が14日、加藤鮎子内閣府こども政策担当大臣と面会し、保育士の配置基準を現在の約2倍に引き上げるよう要望した。保護者の一人、金城かねしろ舞さん(福岡県)は面会後、記者団に「大臣も子育て中ということで、保育現場の実情をよく分かってくださっている。配置基準の改善に向けて長期的に力を尽くすという言葉も頂いた」と語った。
面会したのは、「『子どもたちにもう一人保育士を!』全国保護者実行委員会」。愛知県内の保護者が中心になって結成し、今年5月から各地の保護者に調査を行った。加藤大臣にはその結果を添えて要望した。
調査には、11月5日までに47都道府県の7316人が回答した。安心して預けられる保育士の数の平均は、現在の配置基準の約2倍だった。
例えば、5歳児は保育士1人につきこども30人が現在の基準だが、保護者の望む保育士1人当たりのこども数は平均13・85人で、現在の基準の2・17倍だった。
政府が11日に明らかにした「こども未来戦略」の案は4~5歳児について、保育士1人につきこども30人とする現在の基準を、2024年度からはこども25人とする方針を明記。今年6月の案にはなかった「これと併せて最低基準の改正を行う」との文言も加えた。
6月の案はこども25人に保育士1人を配置できた保育所に限って加算するというものだったが、12月の案は内閣府令の基準改正を意味する。
24年度からは「25対1」を満たすことが保育所の義務になるが、政府は一定期間、経過措置を設ける。
また、1歳児についても25年度以降の早期に、現在の「こども6人に保育士1人」を「こども5人に保育士1人」に改善するとした。