障害者雇用の質向上へ 「もにす認定」見直し活用〈厚労省案〉

2025年1125 福祉新聞編集部
障害者雇用の質について議論した

厚生労働省は11日、障害者雇用の質の向上を図るため、300人以下の中小企業を対象とする「もにす認定」の認定基準を、より質を的確に評価する内容に見直し、新たに大企業も対象に加える案を、今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会(座長=山川隆一明治大教授)に示した。質の評価の結果は、法定雇用率の算定には反映させない考えも示した。

「共に進む」に由来した、もにす認定は中小企業の障害者雇用を促進するため、2020年4月に創設された。認定マークを使用でき、低利融資を受けられるメリットがある。障害者雇用に関する「取り組み」「成果」「情報開示」の3区分(計17項目)について、一定の基準を満たすことなどにより認定が受けられる。6月末時点の認定数は545社で、社会福祉法人も利用できる。

厚労省は同日、「障害者雇用の質で重視する要素」として、OJT(職場内訓練)などにより障害者が能力を発揮できるよう促し、その成果を事業に生かして正当に評価する。障害特性に配慮した雇用管理を行い、安定的に働けるようにすることを挙げた。

これらを障害者雇用促進法に新たに位置付け、具体策としてガイドラインを作成したり、もにす認定を見直して活用したりすることを想定している。

もにす認定の見直しに当たっては、例えば「満足度、ワーク・エンゲージメント」の項目は、現行では企業側が評価しているが、より客観的で統一性のある内容に変える。また、質で重視する要素に関する項目を達成することは必須とし、データも組み合わせて評価することを検討する。

一方、質を高める取り組みは企業に負担がかかるため、厚労省は障害者雇用納付金制度における報奨金や助成金を充てることも提案している。

研究会は年末の取りまとめを目指し、議論を続ける。

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