利用多様化に対応 障害児入所施設の在り方検討会〈こども家庭庁〉

2025年0603 福祉新聞編集部

こども家庭庁は5月21日、「今後の障害児入所施設の在り方に関する検討会」の初会合を開いた。被虐待や強度行動障害など入所する児童が多様化する中、安心して生活でき、発達を支える施設の在り方を議論する。論点はケアニーズの高い入所児への支援強化、児童養護施策との役割整理など多岐にわたる。10月に中間報告、年度内に報告書をまとめる。

児童福祉法に基づく障害児入所施設は、障害児を保護して日常生活を支援する。「福祉型」と治療も行う「医療型」の2類型あり、計約500施設、約8700人が暮らす。入所形態は措置と契約があり(福祉型は7割が措置)、入所児の7割に知的障害、3割に広汎性発達障害、2割に重症心身障害がある。被虐待児童も4割を占める(2023年)。

検討会座長は山縣文治大阪総合保育大特任教授が務め、障害児関係団体、有識者など18人の委員で構成する。

まずは入所児の実態を把握するため、5月中にもすべての都道府県、政令市、障害児入所施設を対象に、入所児の状態、家族の状況、施設の地域支援などを調査。合わせて関係団体ヒアリングも行い、福祉型、医療型の各ワーキンググループを設け、具体的な課題などを議論する。

検討会の論点としては、入所児の実態を踏まえて施設が目指す生活の在り方を定める。家庭的養育の推進や、障害児グループホームの創設、福祉型と医療型の基本報酬と基準の統一も挙げられている。

また、施設の地域支援機能、児童養護施設へのサポートのほか、措置と契約の対象者の再整理、施設事業の透明化なども論点となっており、障害報酬改定、児童福祉法改正も視野に入れた議論となる。

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