精神科診療所、福祉士配置は3割 厚労省検討会で速報値

2025年0518 福祉新聞編集部

精神科の診療所のうち精神保健福祉士(常勤)を配置する診療所の割合が31・3%にとどまることが5月12日、厚生労働省の調査研究事業の速報値で分かった。看護師(同)の53%より低いが、公認心理師(同)の28・1%よりは高い。ピアスタッフ(同)は2・2%だった。

同日の「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」(座長=田辺国昭東京大大学院教授)に同研究事業の代表で精神科医の藤井千代氏(国立精神・神経医療研究センター)が報告した。

報告によると、医師以外の専門職が多く配置されている診療所ほど、予約外の初診を受けたり時間外対応をしたりする傾向がある。

藤井氏は「多職種配置が望まれるが、現行の診療報酬では評価されていない。今の状況ではなかなか難しい」と報告した。

メンタルヘルスに課題を抱えても、できるだけ入院しなくても済むような保健、医療、福祉の連携体制を生活圏域ごとに築こうというのが厚労省の方針で、患者や家族を医療以外の面でも包括的に支える働きを重視する。

しかし、その要となる精神科診療所の人的な体制は求められる役割に追いつかず、その原因の一つとして現行の診療報酬があると藤井氏はみている。調査は昨年12月の診療状況について全国の精神科診療所1608カ所に実施。787カ所から回答があった。

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