配偶者、こども支援を アルコール依存症対策会議(厚労省)
2025年02月03日 福祉新聞編集部2026~30年度の第3期アルコール健康障害対策推進基本計画の策定に向けた議論をしている厚生労働省の関係者会議が1月27日に開かれた。
アルコール依存症の親がいる人が参考人として出席し、心身ともに追い詰められた経験を語り、依存症ではない配偶者への支援の強化と、こどもが個別に相談できる環境の整備を訴えた。
経験を語った川崎断酒新生会つばき家族会の白井明美さんは、アルコール依存症の父の問題行動の後始末や、母の相談相手など、こどもには重すぎる負担を負わされた。「常に家に緊張感があり、自分を優先できず自己肯定感も低くなった」と言う。要望として依存症ではない親を家族会など安心して話せる場や、対処の仕方を学べる場につなぎ、相談機関は影響を受けたこどもにも対応するよう求めた。
那覇断酒会家族会員の長嶺乃里子さんは、アルコール依存症の父との生活で自己嫌悪になり、メンタル的にも追い込まれた。「気持ちのよりどころを外に求め、幸せを知らなかった。痛みにも鈍感になった」と話した。それでも自助グループにつながることで、自分だけではないと思えたという。
基本計画はアルコール健康障害対策基本法に基づく国の総合的な対策を示すもの。関係者会議は同日の意見も踏まえ、引き続き検討を重ね、25年末に報告書をまとめる。