大阪・関西万博で視覚障害者を誘導 スーツケース型ロボ実証
2025年05月06日 福祉新聞編集部
大阪・関西万博の会場で、視覚障害者向け自律型ナビゲーションロボット「AI(人工知能)スーツケース」の実証実験が行われている。万博が閉幕する10月13日まで。多くの人に体験してもらい、人混みでの誘導の安定性や使いやすさなどの課題を洗い出し、実用化に向けた検討を進めたい考えだ。
AIスーツケースは、視覚障害者を目的地まで自動で誘導するスーツケース型ロボット。日本アイ・ビー・エムや清水建設など4社が正会員として活動する「次世代移動支援技術開発コンソーシアム」と、日本科学未来館(浅川智恵子館長)が共同開発した。これまでに大型ショッピングモールや空港などで実証実験をし、昨年4月から同館で試験運用している。
万博会場では、段差の乗り越え機能を強化したり、低い位置の障害物も認識するセンサーを追加したりした特別モデル4台を配備。1台当たり4人程度まで誘導できる。
フランス館+アメリカ館もしくはカタール館に行くショートツアー(体験時間約20分)、カタール館に行った後、目玉の大屋根リングに上って散策するロングツアー(約50分)の2種類の体験ツアーから選択する。
日本アイ・ビー・エムによると4月29日時点で193組がAIスーツケースを体験。5月末から台数を6台に拡大し、最終的には8台を目指すという。
体験ツアーの予約は専用サイトから。