障害者と親が「じりつ」学ぶプログラム 〈いずみ野福祉会・大阪〉
2025年06月20日 福祉新聞編集部
大阪府内で28の障害福祉事業所を運営する社会福祉法人いずみ野福祉会(室井宏文理事長)は、青年期の障害者と親それぞれが「じりつ(自立)」を学ぶプログラム「親子みらいワーク~ライフワイドの視点で取り組むみんなのじりつの道しるべ」(カラー88ページ)を作成した。「じりつ」がひらがな表記なのは難しく考えないようにするため。日本財団の助成事業として2年間の成果をまとめた。
法人では、特別支援学校高等部卒業生が4年間で働く大人になるための学びの場「シュレオーテ」(生活介護)を10年以上運営する中、さらに人間関係で生きていく力も学んでもらう必要性を感じていた。親も責任感から子離れできず、「老障介護」も起きている。障害者、親それぞれにとっての「じりつ」が求められる状況にあり、その学びとなるプログラムとして開発した。
障害者を対象としたライフワイド学習プログラムは、人間関係の大事な要素として「相互理解」「相談」「聴く・伝える」を楽しみながら学べる10のプログラムがある。職員と数人の障害者で行うことを想定。例えば「お宝なんでもプレゼン」は自分の宝物を紹介する。お互いのプレゼンテーションをしっかり聴いて「いいね!カード」に記入。伝えること、聴くこと、カードにより認め合うことを体験的に学べる。
親が対象のライフワイド学習プログラムは、講義とグループワークにより、障害者の成人期における具体的な社会資源、成年後見制度などを学ぶ。先輩の親の経験談を聞き、未来について意見交換し、希望者はショートステイを体験する。親の気持ちに寄り添いながら意識改革を促す。
親子みらいワークは無料で配布中。希望者は同法人(電話072・445・5373)へ。同法人の清時忠吉執行役員は「一部だけでも参考にして日々の支援の中で活用してほしい」としている。