佐賀県立障害者施設が閉園 延べ1200人以上を社会へ

2024年0401 福祉新聞編集部

障害者支援施設の佐賀県立九千部学園(鳥栖市)が3月16日の卒園式で、約62年にわたる歴史に幕を閉じた。

 

知的障害者福祉法に基づく九州初の更生施設として1962年6月30日に開園。知的障害、発達障害のある15歳以上を対象に、生活コースから始めて約3年間、宿舎で共同生活を送る。施設内で生活訓練や職業訓練を積み、生活能力、作業能力の向上に励んできた。

 

卒園後は、雇用契約を結ぶA型事業所や一般企業に就職する。県の担当者によると、これまでに延べ1200人を超える卒園生を社会に送り出してきたという。

 

入園者が定員(20人)に満たないことが続いていたことに加え、民間の就労支援事業所の増加や特別支援学校高等部職業コースの充実など、県内の障害者への支援状況が整ってきたことから、2021年6月に閉園の方針を決定した。

 

16日に行われた卒園式には、最後の在校生となった9人が参加。代表による卒園のあいさつなどが行われ、新生活に踏み出した。

 

県は、同学園を卒園した利用者が困ることがなく、卒園後の支援が継続できるよう相談窓口の設置と支援体制の構築を検討し、卒園生が社会的に自立し住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう取り組みを進めるとしている。