処遇改善加算を一本化 柔軟に配分できるルールに統一(介護給付費分科会)

2023年1113 福祉新聞編集部

厚生労働省は6日に開いた社会保障審議会介護給付費分科会に、介護職員の処遇改善加算を一本化する案を示した。三つある加算の各区分の算定要件、加算率を組み合わせて一つの新たな加算にし、段階を設ける。対象職種は介護職員を基本とし、経験・技能のある介護職員に重点を置きつつ、事業所の判断で柔軟に配分できるルールに統一する。

 

現行では▽処遇改善加算▽特定処遇改善加算▽ベースアップ等支援加算の三つがある。それぞれ算定要件、対象職種などが違うため、事務作業が煩雑で職種間の賃金バランスが取れなくなることなどから、現場から加算の一本化などを求める声が相次いでいた。

 

新加算では処遇改善が現場職員に届くようにするため、加算額の一定割合をベースアップ(基本給か毎月の手当ての引き上げ)に充てることを求め、上位の段階では資格や経験に応じた昇給の仕組みの整備、事業所内で経験・技能のある職員の充実などを算定要件とすることを検討する。

 

職場環境等要件(6区分24項目)については、取り組むべき項目数を増やす。現行では処遇改善加算が1項目以上、特定処遇改善加算は区分ごとに1項目以上が算定要件となっているが、現状で多くの事業所がそれを超えた項目に取り組んでいる。また、算定要件として、生産性向上、経営の協働化にかかる項目を拡充することも検討する。

 

ほかに、事業所が新加算の算定要件を満たすために対応が必要なケースもあるため、一定の間、新旧の加算を選択できる移行期間を設ける。

 

厚労省は今後、新加算の詳細な算定要件、名称などについて議論を詰めていく。